賢明な医療の選択

陰毛や体臭があっても、他に思春期の兆候がない子供には、LH、FSH、エストラジオールまたはテストステロンの検査は避ける[Choosing wisely]

今回は、小児の思春期早発と検査に関してです。

この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。

ユーキ先生
ユーキ先生
思春期早発と検査に関して、どうなっているのでしょうか?

Dr.KID
Dr.KID
Choosing wiselyを見てみましょう。

ポイント

  •  Choosing wisely:思春期早発と検査
  •  疑わしい病歴や所見のない小児に、ルーチンで検査しない

  American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely

陰毛や体臭があっても、他に思春期の兆候がない子供には、LH、FSH、エストラジオールまたはテストステロンの検査は避ける[Choosing wisely]

Avoid ordering LH and FSH and either estradiol or testosterone for children with pubic hair and/or body odor but no other signs of puberty.

Premature adrenarche is usually the diagnosis and does not involve activation of the pituitary- gonadal axis but is due to an early increase in adrenal androgens. DHEA-S levels are elevated for age but do not alter the management of this common and generally benign condition.

陰毛や体臭があっても、他に思春期の兆候がない子供には、LH、FSH、エストラジオールまたはテストステロンの検査は避けましょう。

早発副腎は、通常、下垂体-性腺軸の活性化を伴わず、副腎のアンドロゲンが早期に増加することにより診断されます。

DHEA-S値は年齢相応に上昇しているが、一般的には良性の疾患で、管理を変えるものではない。

考察と感想

陰毛や体臭があっても、他に思春期の兆候がない子供には、LH、FSH、エストラジオールまたはテストステロンの検査は避ける、という内容でした。

逆にいうと、「他に思春期の兆候がない」という点をしっかり診察や話から判断をする必要があるともいえます。

参考文献を読んで勉強しようと思います:

Kaplowitz P, Bloch C, the SECTION ON ENDOCRINOLOGY. Evaluation and Referral of Children with Signs of Early Puberty. Pediatrics. 2016;137(1):e20153732.

まとめ

今回は、思春期早発と検査に関するchoosing wiselyをご紹介しました。

これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。

 

created by Rinker
¥6,600
(2024/12/30 11:01:16時点 Amazon調べ-詳細)

Dr. KIDの執筆した書籍・Note

医学書:小児のかぜ薬のエビデンス

小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:

小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。

医学書:小児の抗菌薬のエビデンス

こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。

日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。

created by Rinker
¥3,850
(2024/12/30 02:40:55時点 Amazon調べ-詳細)

Dr.KID
Dr.KID
各章のはじめに4コマ漫画がありますよー!

noteもやっています

かぜ薬とホームケアのまとめnote

小児のかぜ薬とホームケアの科学的根拠

 

小児科外来でよくある質問に、科学的根拠を持って答えるnote

保護者からのよくある質問に科学的根拠で答える

 

当ブログの注意点について

当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。

一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。

ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。