今回は妊娠中のRSVワクチンが乳児の感染予防に効果があったか検討した研究となります。
妊娠中の二価前駆体Fワクチンによる乳児のRSV感染症予防
研究の背景/目的
この論文は、妊娠中のワクチン接種が新生児や乳児の呼吸器感染症(RSV)関連下気道感染症の負担を減らすかどうかを検討しています。18か国で実施された第3相二重盲検試験で、妊娠24〜36週の妊婦が、二価RSV前駆体Fタンパク質ベース(RSVpreF)ワクチン120 μgかプラセボの筋肉内注射を受けるよう無作為に割り付けられました。プライマリエンドポイントは、出生後90日、120日、150日、および180日以内の医学的介入を必要とする重症RSV関連下気道感染症とRSV関連下気道感染症です。
研究の方法
18か国で実施された第3相二重盲検試験で、妊娠24〜36週の妊婦が、二価RSV前駆体Fタンパク質ベース(RSVpreF)ワクチン120 μgかプラセボの筋肉内注射を受けるよう無作為に割り付けられました。プライマリエンドポイントは、出生後90日、120日、150日、および180日以内の医学的介入を必要とする重症RSV関連下気道感染症とRSV関連下気道感染症です。
研究の結果
予定された中間解析では、ワクチンの有効性に関して1つのプライマリエンドポイントで成功基準が満たされました。
合計で、3682人の母親参加者がワクチンを受け、3676人がプラセボを受けました。また、3570人の乳児がワクチン群、3558人の乳児がプラセボ群で評価されました。
ワクチン接種群の女性の乳児6例とプラセボ群の女性の乳児33例で、出生後90日以内に医学的介入が必要な重度の下気道感染症が発生しました(ワクチンの有効性は81.8%、99.5%CIは40.6〜96.3)。
また、出生後180日以内にワクチン接種群で19例、プラセボ群で62例が発生しました(ワクチンの有効性は69.4%、97.58%CIは44.3〜84.1)。
医学的介入を必要とするRSV関連下気道感染症は、ワクチン接種群の乳児24例とプラセボ群の乳児56例で出生後90日以内に発生しました(ワクチンの有効性は57.1%、99.5%CIは14.7〜79.8)。この結果は、統計的な成功基準を満たしていませんでした。
妊娠中の参加者や24ヶ月までの乳児・幼児において安全性の懸念は特定されませんでした。ワクチン接種群とプラセボ群で、注射後1か月以内または出生後1か月以内に報告された有害事象の発生率は類似していました(ワクチン接種群では、女性の13.8%、乳児の37.1%;プラセボ群では、女性の13.1%、乳児の34.5%)。
結論
結論として、妊娠中に接種されたRSVpreFワクチンは、乳児の医学的介入を必要とする重症RSV関連下気道感染症に対して有効であり、安全性の懸念は特定されませんでした。
考察と感想
RSV感染は新生児〜乳幼児で毎年夏に猛威を振るうので、画期的な予防接種と思いました。特に小さなお子さんは重症化しやすく、広く実用化されることを願います。
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