猩紅熱(しょうこうねつ)について
猩紅熱は、A群β溶連菌に感染し、全身に痒みを伴う発疹 (ブツブツ)が出る病気です。
溶連菌感染から猩紅熱が出るまでの期間は、1日〜7日(平均3日)です。
特に、5〜15歳に好発します。
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猩紅熱の原因
猩紅熱は、溶連菌から放出される毒素 (Toxin A, B, Cなど)のため起こります。
この毒素に対して、体がアレルギー反応(遅延型反応)を起こし、全身に症状が出るのです。
猩紅熱の症状
猩紅熱はかなり特徴的な症状をみせるので、わりと見た目で分かります。
サンドペーパー様皮疹 (sandpaper rash)
サンドペーパーとは、日本語で紙ヤスリのことを言います。
上の図のように、1〜2mm程度の点状の紅斑が全身に出現します。
猩紅熱で出る発疹が、紙ヤスリのようにザラザラしているため、サンドペーパー様皮疹と言われているのです。
この発疹は、発熱してから12時間〜48時間後に出現します。
発疹は、首・わき・太ももの付け根など柔らかい部分に出現し、24時間以内に全身へまばらに広がります。
太もも・わき・お尻などで、体重がかかる部位、皮膚が擦れる部位にこの発疹が目立ちます。
イチゴ舌
『イチゴ舌』は、その名の通り、舌がイチゴのように見えます。
溶連菌の発症初期は、舌は白苔で覆われますが、その後に白苔が剥けてイチゴ舌になるといわれています。
皮膚の落屑
赤い発疹が出てから1週間後に皮が剥けることがあります。
特に発疹が強く出た部位が剥けやすく、手足の先から皮膚が剥ける傾向にあります。
Pastiaの線 (Pastia’a Line)
肘や腋に出現する線状の発赤のことをいいます。
猩紅熱の治療と合併症
猩紅熱は溶連菌に感染したため起こる症状です。
そのため、溶連菌の除菌を行えばよいので、抗菌薬を投与します。
猩紅熱で、溶連菌が全身に周り『菌血症』となってしまった場合、髄膜炎・脳膿瘍・化膿性関節炎・骨髄炎などを併発することがあります。
合併症にならないよう、しっかり抗生物質を内服することが重要といえます。
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