今回は、下部尿路機能の用語の標準化について論文を読んでみました。きちんとした用語を知るのは大切だと思いますので、ここにメモとして残しておきました。
- ICCSからの下部尿路機能障害の用語に関する報告
2016年に公表されたようです。
小児の下部尿路機能の用語の標準化[International Children’s Continence societyからの最新報告]
研究の背景/目的
下部尿路(LUT)機能に関して、ICCSの用語集が発表された。
このことにより、小児のLUT機能および機能不全の特徴を示す用語が、複数の医療分野において世界的に統一され明確になった。
本文書は、小児のLUT機能に関する知識の改良と現在の進歩を反映した、独立した用語集の更新となっている。
研究の方法
標準化委員会には、ICCSの指導者の中から、LUT機能障害を持つ小児を治療する複数の分野の世界的な専門家が集められた。従来のICCS用語集および最新の文献の批判的レビューを行った。さらに、学際的なICCS会員からの貢献とフィードバックを求めた。
研究の結果
ICCS の専門家は、過去 7 年間の文献をレビューした後、文献レビュー、専門家の意見、および ICCS 会員からの フィードバックから得られたリソースを用いて、小児の膀胱機能および LUT 機能不全に関する現在の理解を反映した新しい用語集を作成した。
結論
現行のICCS用語集は、小児のLUT機能に関する進化した用語と理解を最新かつコンセンサスに基づいて提供するものである。
考察と感想
記載されていたのは、以下の用語でした
膀胱直腸機能障害(Bladder Bowel Dysfunction; BBD)
脊髄疾患による膀胱直腸障害などの明らかな原因がないにも関わらず、下部尿路症状と排便障害を併存する状態をBBDとしています。
一方で、dysfunctional elimination syndrome(DES)という言葉は、特定の異常や状態を意味するため、使用しないようにとされていました。
また、BBDは下部尿路機能障害と直腸機能障害を含意するようです。
排尿頻度
過去の研究結果から、7−15歳の小児の多くは(95%ほど)、1日に3ー8回の排尿を日中にすると考えられているようです。
このため、
- 3回以下;排尿回数の減少
- 8回以上;排尿回数の増加
とされていました。
尿失禁について
上の図のように分類されていたのが分かりやすかったです。
補足すると、非単一症候性は下部尿路症状のあるものをいい、
- 排尿頻度の異常
- 昼間の尿失禁あり
- 尿意切迫あり
- 遷延性排尿、排尿開始困難あり
- 腹圧をかけての排尿
- 微弱排尿
- 断続排尿
- 尿こらえ姿勢
- 残尿感
- 排尿後のちびり
- 外性器や下部尿路の疼痛
が下部尿路症状として該当します。
まとめ
今回は、下部尿路機能の用語の標準化について述べました。きちんとした用語を知るのは大切ですね。
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