科学的根拠

小児の咳止めとしてのチペピジン(アスベリン®︎)を含む薬

「咳を和らげる薬」として、小児科外来で最もよく処方されているのがアスベリン®︎(チペピジンヒベンズ酸塩)ではないでしょうか。
もちろん私も馴染み深い薬ですし、このブログの読者の方々もよく処方されているお薬と思います。

Dr.KID
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小児科外来でよく処方されているお薬でしょう。

アスベリン®︎(チペピジン)の咳止めとしての立ち位置

前回、咳止め(鎮咳薬)は麻薬性中枢性鎮咳薬と非麻薬性中枢性鎮咳薬に分けられると説明しました。
前者はコデインを、後者はデキストロメトルファン(メジコン®︎)を中心にお話を進めてきました。

アスベリン®︎(チペピジン)は後者(非麻薬性中枢性鎮咳薬)に分類されるので、デキストロメトルファンと同じような作用です。
違いとしては、アスベリン®︎(チペピジン)の方が副作用が少なく、その分、咳止め効果も弱いと考えられています(どの程度の科学的根拠があるのか、私はこの記事を書いている時点では詳しくないです)。
反面、去痰作用をあわせもつといった特徴が広く知られているでしょう。

Dr.KID
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「弱めの咳止め」として説明されていることもあるでしょう。

チペピジンを含む市販薬

小児の市販薬でチペピジンを含むものがあるか、一通り調べてみました。

製造販売元 商品名 適応年齢
エスエス製薬 新小児用エスタック「カリュー」 3ヶ月以上
ムヒ ムヒのこどもかぜ顆粒a 1歳以上
佐藤製薬 ストナシロップA小児用 3ヶ月以上
滋賀県製薬 ソボンこどもかぜ薬細粒 1歳以上
大正製薬 パブロンキッズかぜ微粒 1歳以上
桶屋製薬 ヒヤこども総合かぜ薬M
ヒヤこども総合かぜ薬
1歳以上
1歳以上
協和薬品工業 ノスポールこどもかぜ薬a 3歳以上
日野薬品工業 宇津こどもかぜ薬AII
宇津こどもかぜ薬CII
1歳以上

*手作業で調べたのでおそらく漏れがあるのと、すでに製造販売が終了となっている薬もあります。

(処方薬でしかないと思っていたのですが)意外と市販薬でも沢山の種類があって驚きました。
問題点としては、これらの薬には第一世代抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミンやクロルフェニラミン)が混ざっています。
特に乳幼児への内服は安全性と副作用の点からあまりお勧めできません。

Dr.KID
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市販薬にもアスベリン®︎と同じ成分のが入っているけれど、第一世代の抗ヒスタミン薬も配合されている…。

まとめ

アスベリン®︎(チペピジン)は小児でよく処方される咳止めですが、意外と市販薬にも使用されているようでした。

アスベリン®︎(チペピジン)に関して、よく「科学的根拠のない薬」「長らく国内で使用されているが、臨床試験などされていない薬」と揶揄されることがありますし、現時点では私もそう認識しています。
自分でも深く調べたことがないので、これを機に詳しく調査をしてみて、次回以降に報告していければと思います。

Dr.KID
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アスベリン®︎(チペピジン)の科学的根拠や副作用の報告はどうなのだろうか?

 

ABOUT ME
Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。