タバコの誤飲について
乳幼児が食べ物以外のものを間違って飲み込んでしまうことを『誤飲』といいます。
タバコの誤飲は生後6ヶ月〜11ヶ月で非常に多いです。
タバコにあるニコチンが様々な症状を起こします
特にタバコの中に含まれているニコチンが様々な症状を引き起こします。
嘔吐などの消化器症状が非常に多いです。
日本中毒情報センターにおける受診報告数では、タバコ誤飲の相談が非常に多く、「タバコ専用電話」が開設されているくらいです。
吸い殻の入った液体が最も危険
最も危険なタバコの誤飲は、タバコを直接食べることより、タバコの吸い殻が入った液体を飲んでしまうことです。
この液体には大量のニコチンが入っており、消化管から吸収されると重篤な中毒症状が起きることがあります。
タバコ誤飲の症状について
タバコ誤飲の症状は:
- 顔面蒼白
- 吐気・嘔吐 ・口が焼けるような感覚 ・唾液増加
- 呼吸困難
- 腹痛、下痢
- 手足の震え、冷や汗 ・めまい ・痙攣
などが起こることがあります。
症状の出現時間はどのくらいでしょうか?
大体の目安になりますが、
- 嘔吐:60分以内
- それ以外:2〜4時間以内
といわれています。
4時間無症状であれば、その後に症状が出てくることはあまりないでしょう。
中毒症状が出るタバコの量ってどのくらい?
中毒症状が出るのは
- タバコそのものを2cm以上食べた
- タバコの吸い殻が入った液体を飲んだ
- タバコを長時間の咀嚼しま
で起こりやすいです。
特にタバコの吸い殻が入った液体は、ニコチンが大量に入っているため、最も危険です。
致死量について
ニコチンの致死量は:
- 幼児 10-20mg
- 成人 50mg程度
が目安です。
ちなみにタバコ1本でニコチンは20mg程度含有しています。
対処法を教えてください
お子さんのいる家庭でタバコを吸うのはオススメできません。
タバコは子供にとっても有害物質で、健康への悪影響が報告されています:
タバコを食べてしまったら...
タバコを食べているのを見たら;
- 口の中のタバコをかきだす
- 床を向かせて、手を口の奥に入れて、吐かせる
などして、飲み込まないようにしましょう。
そして、上に示したような中毒症状があれば医療機関に受診するようにしてください。
(ただし、タバコの誤飲を劇的に回復させる特効薬はありません)
医療機関受診の目安について
医療機関の受診目安は;
- 中毒症状がある
- 2cm 以上たべてしまった
- 吸い殻を含む液体を飲んでしまった
が目安となります。
4時間程度症状がなければ、問題ないといわれています。
タバコの誤飲と死亡について
タバコ誤飲による死亡は米国では報告がありますが、日本では私の知る限りではありません。
致死量はタバコ1本くらいですので、不味いタバコを1本まるまる食べることはまずないでしょう。
あと、中毒症状が嘔吐ですので、致死量に達する前に吐き出すことがほとんどです。
食べてから中毒を起こすまでの時間は、摂取して1時間以内ですので、この時間に症状がなければ大丈夫なことがほとんどでしょう。
中毒110番、知ってますか?
一般市民向けに中毒110番があります:
- 大阪中毒110番(365日24時間対応) 072-727-2499 (情報提供料:無料)
- つくば中毒110番(365日9~21時対応) 029-852-9999 (情報提供料:無料)
です。
タバコ以外でも誤飲・誤食をしてしまい困っている場合は電話をしてみても良いでしょう。