ヨーグルトの語源はトルコ語で、1992年にLactobacillus bulgaricusとStreptococcus thermophilusの発酵で製造されたものと定義されています。
近年、ヨーグルトが小児の下痢に有効かもしれない点は報告されてきましたが、トルコでは類似の研究が行われていなかったようで、今回の研究が組まれたようです。
研究の方法
今回の研究はトルコで行われ、
- 6〜24ヶ月の下痢
- 血便なし
- 軽度の脱水がある
- 重症疾患なし
- 慢性疾患なし
などが研究の対象患者となっています。
治療は、
- 牛乳からできたヨーグルト 15 ml/kg/day
- コントロール
のいずれかをランダムに割り当てています。
研究のアウトカムは、
- 入院日数
- 体重増加
- 下痢の回数の減少
をみています。
研究結果と考察
最終的に80人が研究に参加し、40人がヨーグルト、40人がコントロールでした。患者背景は以下の通りになります
- 男児がやや多い
- 平均 12ヶ月
- 体重 9kgが平均
- 1日7-8回の下痢で、ヨーグルト群の方が1回多い
(8.53 vs. 7.25回)
研究のアウトカム
研究のアウトカムは以下の通りになります
ヨーグルト | コントロール | 差 | |
入院日数 | 2.7 | 3.1 | 0.4 |
体重増加 | 435 | 383 | 52 |
下痢の回数 (減少) | 4.3 | 3.6 | 0.7 |
このデータをみると、ヨーグルトグループの方が、わずかに入院日数が短く、体重増加も良好です。
下痢の回数も0.7回ほど減少率が高いですが、元々の下痢の回数がヨーグルト群の方がやや多いので(8.53 vs. 7.25回)、ここの解釈は純粋にヨーグルトの効果とは言えないかもしれませんね。
考察と感想
論文の冒頭で、ヨーグルトの語源はトルコ語からきていると説明するあたり、ちょっと面白かったですね。この掲載された医学雑誌もトルコの小児科学会雑誌のようなので、このあたりのユーモアも許されたのかもしれないですね。
研究の方はいたってシンプルなので、わかりやすかったですね。
一方で、入院日数の0.4日の短縮、50gの体重増加が、臨床的にどのくらい意味があるのかは、なんとも言えないですね。
下痢の回数の比較に関しては、ベースラインがやや整っていないので、実は同じくらいの回数に落ち着いただけではとも思ってしまいました。
まとめ
今回の研究は、トルコにて 、下痢で入院となった6ヶ月〜24ヶ月を対象に、ヨーグルトの有効性を確認しています。
ヨーグルトを使用したグループの方が、半日ほど入院日数が短く、体重増加も50gほど多く、下痢の回数も0.7回ほど減少する傾向にありました。
この差の臨床的な意義があるのか否かは、統計学的な有意差とは個別に考える必要があると思います。
最近、こちらの調理器具を購入してしまいました。到着して料理に使用するのが楽しみですね。以前、友人の家でこちらを使用しているのを見て、欲しくなってしまいました。
今年は家電製品を沢山買ってしまっていますが、その分、外食を減らしています。