小児のかぜに抗菌薬を使用して中耳炎や肺炎の予防効果があるか検討した結果はあります。
小児のかぜに抗菌薬を使用しても、急性中耳炎を1人予防するには20人ほど治療しないといけない換算です。さらに、肺炎を予防できる可能性は低いです。
今回は、扁桃周囲膿瘍や乳突蜂巣炎のような稀な合併症を予防できるか検討したコホート研究について解説していこうと思います。
Petersen I, et al. Protective effect of antibiotics against serious complications of common respiratory tract infections: Retrospective cohort study with the UK General Practice Research Database. Br Med J. 2007;335(7627):982-984.
研究結果
小児のかぜに抗菌薬を投与して扁桃周囲膿瘍や乳突蜂巣炎といった稀な合併症を予防できるか検討したコホート研究の結果です。
コホート研究のため、統計学的な手法を使用して年齢・性別・貧困などを対処していますが、抗菌薬を使用したほうが扁桃周囲膿瘍や乳突蜂巣炎のオッズは低い傾向にありました。しかし、NNT(= Number Needed to Treat)に換算すると4000人以上の患者を治療してようやく1人の合併症を予防できるレベルです。
まとめ
抗菌薬を使用したほうが扁桃周囲膿瘍や乳突蜂巣炎のオッズは低い傾向にありました。しかし、NNT(= Number Needed to Treat)に換算すると4000人以上の患者を治療してようやく1人の合併症を予防できるレベルです。
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