乗り物酔い

乗り物酔いの治療薬として、どのような組み合わせが最も副作用が少ないか?[アメリカ編]

今回は、乗り物酔いの治療薬として、どのような組み合わせが、最も副作用が少ないか検討した研究となります。

マミー
マミー
乗り物酔いに有効なお薬はありますか?

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ユーキ先生
ユーキ先生
1990年くらいから、さまざまな研究がされていたようです。

Dr.KID
Dr.KID
論文を読んでみましょう

ポイント

  • 異なる酔い止めの薬剤の組み合わせを使用し、使用後の操作パフォーマンスを計測し比較した。
  • 特定の用量および組み合わせの乗り物酔い予防薬は、オペレーションの能力を損なうことなく使用できることを示すものである。

参考文献

Wood CD, Manno JE, Manno BR, Redetzki HM, Wood MJ, Mims ME. Evaluation of antimotion sickness drug side effects on performance. Aviat Space Environ Med. 1985 Apr;56(4):310-6. PMID: 3888169.

 1985年に中国から公表されたようです

乗り物酔いの治療薬として、どのような組み合わせが最も副作用が少ないか?[アメリカ編]

研究の背景/目的

本研究では、被験者間で操作パフォーマンスと高い相関があるコンピューター追跡計を使用し、乗り物酔いの予防薬を比較した。

研究の方法

  • d-アンフェタミン
  • プロメタジン
  • スコポラミ
  • マレジン
  • メクリジン
  • ジメンヒドリナート

など異なる薬剤の組み合わせを使用し、使用後の操作パフォーマンスを計測し比較した。

Dr.KID
Dr.KID
それぞれ副作用のある薬なので、その比較にようですね。

研究の結果

「d-アンフェタミン10 mgと5 mg」、「プロメタジン25 mgとスコポラミン0.4 mgとd-アンフェタミン10 mgの併用」、「スコポラミン1 mgとd-アンフェタミン10 mgの併用」で、追跡計タスクの熟練度はプラセボより改善された。

「スコポラミン単独:0.25mg、0.5mg、0.6mg」、「マレジン50mg」、「メクリジン50mg」、「ジメンヒドリナート50mg」を用いた比較では、プラセボのスコアと有意差はなかった。

また、「スコポラミン1mgとd-アンフェタミン5mgの併用」、「プロメタジン25mgとd-アンフェタミン10mg」の併用も同様であった。

「スコポラミン1mgまたは0.8mg」、「プロメタジン25mg経口または25mg静脈注射」で、統計的に有意な成績の低下がみられた。

「プロメタジン25mgとスコポラミン0.4mg」、および「プロメタジン25mg経口投与と25mg静脈注射とd-アンフェタミン10mgの組み合わせ」も、プラセボと比較して有意な得点減少がみられた。

結論

これらの結果は、特定の用量および組み合わせの乗り物酔い予防薬は、オペレーションの能力を損なうことなく使用できることを示すものである。

考察と感想

かつて、乗り物酔いに対しては「スコポラミンとD-アンフェタミンの併用がよい」とする論文がいくつかみかけましたが、その根拠となる論文の1つかもしれません。

Dr.KID
Dr.KID
乗り物酔いはパイロットなども使用するので、眠気などの副作用は少ないほうがよいでしょうね。.

ただしアンフェタミンは乱用のリスクがあるため、現在では使用されていません。

まとめ

異なる酔い止めの薬剤の組み合わせを使用し、使用後の操作パフォーマンスを計測し比較した。

特定の用量および組み合わせの乗り物酔い予防薬は、オペレーションの能力を損なうことなく使用できることを示すものである。

 

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Dr.KID
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Dr-KID
このブログ(https://www.dr-kid.net )を書いてる小児科専門医・疫学者。 小児医療の研究で、英語論文を年5〜10本執筆、査読は年30-50本。 趣味は中長期投資、旅・散策、サッカー観戦。note (https://note.mu/drkid)もやってます。