今回は、挿管された乳児におけるレントゲン撮影に関してです。
この推奨を「choosing wisely」ではどのように記載されているのか紹介してみようと思います。
- Choosing wisely:挿管された乳児におけるレントゲン撮影
- ルーチンでの使用を控える
American Academy of PediatricsからのChoosing Wisely
挿管された乳児に対しては、適応のない場合には、ルーチンで胸部X線を毎日撮影するのは避ける [Choosing wisely]
Avoid routine daily chest radiographs without an indication for intubated infants.
Although intermittent chest radiographs may identify unexpected findings, there is no evidence documenting the effectiveness of daily chest X-rays to reduce adverse outcomes. Further, this practice is associated with increased radiation exposure.
挿管された乳児に対しては、適応のない場合には、ルーチンで胸部X線を毎日撮影するのは避けるべきである。
断続的な胸部X線撮影により予期せぬ所見が得られることもあるが、毎日の胸部X線撮影が有害な転帰を減少させる効果があることを示すエビデンスはない。
さらに、この方法は放射線被曝の増加に関連している。
考察と感想
主にNICUでの挿管例についての言及でしょうか。
確かに新生児や乳児は特に放射線に対する感受性が高いので、適応がない限り、ルーチンで毎日撮影しないというのはその通りだと思います。
あとは「適応がない限り」の文面の詳細を詰めることも重要ですね。参考文献も読んでみようと思います:
文献リストは↓↓
Greenough A, Dimitriou G, Alvares BR, Karani J. Routine daily chest radiographs in ventilated, very low birth weight infants. Eur J Pediatr. 2001 Mar;160(3):147-9.
Spitzer AR, Greer JG, Antunes M, Szema KF, Gross GW. The clinical value of screening chest radiography in the neonate with lung disease. Clin Pediatr (Phila). 1993 Sep;32(9):514-9.
まとめ
今回は、挿管された乳児におけるレントゲン撮影に関してご紹介しました。
これ以外にも項目が出ているようなので、コツコツと読んでいこうと思います。
(2024/11/21 16:57:28時点 Amazon調べ-詳細)
Dr. KIDの執筆した書籍・Note
医学書:小児のかぜ薬のエビデンス
小児のかぜ薬のエビデンスについて、システマティックレビューとメタ解析の結果を中心に解説しています。
また、これらの文献の読み方・考え方についても「Lecture」として解説しました。
1冊で2度美味しい本です:
(2024/11/21 01:00:58時点 Amazon調べ-詳細)
小児の診療に関わる医療者に広く読んでいただければと思います。
医学書:小児の抗菌薬のエビデンス
こちらは、私が3年間かかわってきた小児の抗菌薬の適正使用を行なった研究から生まれた書籍です。
日本の小児において、現在の抗菌薬の使用状況の何が問題で、どのようなエビデンスを知れば、実際の診療に変化をもたらせるのかを、小児感染症のエキスパートの先生と一緒に議論しながら生まれた書籍です。
noteもやっています
当ブログの注意点について
当ブログは医療関係者・保護者の方々に、科学的根拠に基づいた医療情報をお届けするのをメインに行なっています。参考にする、勉強会の題材にするなど、個人的な利用や、閉ざされた環境で使用される分には構いません。
一方で、当ブログ記事を題材にして、運営者は寄稿を行なったり書籍の執筆をしています。このため運営者の許可なく、ブログ記事の盗用、剽窃、不適切な引用をしてメディア向けの資料(動画を含む)として使用したり、寄稿をしないようお願いします。
ブログの記載やアイデアを公的に利用されたい場合、お問い合わせ欄から運営者への連絡お願いします。ご協力よろしくお願いします。